松山英樹など世界に羽ばたくプロの活躍や、来年のリオデジャネイロ五輪から112年ぶりに実施競技に復活することもあり、関心が高まっているゴルフ。
しかし、ゴルフを趣味にしている日本人のプレー人口は減少を続け、“ゴルフ離れ”が叫ばれて久しい。1990年代前半には約1500万人いた参加人口が、およそ20年で半減したとの数字もある。
「昔は取引先との接待ゴルフも頻繁にありましたが、お金がかかりますし休日にまで仕事関係の付き合いをする人が減ったので、ここ数年はさっぱり。1本2万円程度で買い揃えたゴルフクラブは玄関で埃まみれになっています」(50代会社員)
総合マーケティング支援を行うネオマーケティングが興味深い調査をしている。
過去に年1回以上コースを回っていた45歳以上の男性で、ここ5年以上ラウンドしなくなったと答えた400人にその理由を聞いたところ、1位は「プレーフィー(料金)が高い」(61.8%)。次いで「用具価格が高い」(48.3%)、「所得が減った」(39.0%)と、いずれも“懐事情”によるものだった。
確かにゴルフをやるにはクラブやウエア、靴、ボールなどの用具に加え、ゴルフ場までの交通費やプレー料金もかかる。
「都心部から離れれば、平日で6000円程度、休日でも平均1万円前後でプレーでき、かつての相場に比べたらだいぶ低価格化が進んだ」(スポーツ紙記者)とはいえ、やはりゴルフはお金がかかるという固定イメージは根強い。
だが、ネオマーケティングと共同調査をした武蔵野美術大学身体運動文化研究室の北徹朗准教授は、ゴルフ熱の再燃に期待を寄せている。
<「またゴルフをやりたいか」という質問では、全体の約3割が「まあやりたいと思う」または「やりたいと思う」と回答しました。離反者層のゴルフプレーへの最接近が市場に与えるインパクトは大変大きなものであると考えることができます>
『レジャー白書』を刊行する日本生産性本部の志村武範氏(経営開発部・余暇創研)も、こんなデータを示す。
「ゴルフの全参加人口の半数近くを男女とも60代、70代が占めていますが、2012年から2013年にかけて、男性50~70代、女性の60代と70代の参加率が上昇しています。これは時間やお金に余裕のある高年層のゴルフ人気を物語っています」