メジャーリーグのNYヤンキースから古巣・広島カープに8年ぶりに復帰した黒田博樹投手(40)が2月18日、2次キャンプに合流。20億円ものオファーを蹴って日本に戻ってきた“男気”溢れる今シーズン最注目選手の始動を見逃すまいと、キャンプ地のコザしんきんスタジアム(沖縄市)には、1000人にものぼるファンが押し寄せた。
「黒田復帰」が悲願だった人たちにとっては待ちに待った日である。中には2月に発売されるや即売り切れとなった背番号「15」のユニフォームを身にまとったカープ女子の姿もあった。
多くの注目を集めるなか、練習前に「もう40歳になるので先は長くない。覚悟を持ってきた」と挨拶した黒田。円陣で「いくぞ!」の声出し役をやらされるサプライズこそあったものの、その後はチームメイトから離れひとり淡々とメニューを消化。初日からブルペンにも入り37球を投げ込むと、練習終了後は裏口からひっそりと球場を後にした。
「1球1球が最後だと思ってマウンドに上がりたい」と復帰会見で語った男の、勝負の1年が始まった。
撮影■渡辺利博
※週刊ポスト2015年3月6日号