ライフ

ブラタモリ「頭を下げ続ければ返ってくる」大人の心得が満載

 4月からタモリが3年ぶりのレギュラー番組を始める。記者会見で明らかにした「ロケ心得3ヵ条」が、テレビ番組の制作だけでなく「人生の心得3ヵ条」にも通じる。大人力コラムニストの石原壮一郎氏が語る。

 * * *
 タモリが街をブラブラ歩きながら、その土地の魅力を探っていく「ブラタモリ」。4月11日(土)から3年ぶりのレギュラー放送がスタートするということで、19日に発表会見が行なわれました。今までは東京限定でしたが、タモリ曰く「去年の春から勤務体制が大幅に変わりまして」ということで、今回は全国各地をブラブラするそうです。

 会見のときに、タモリが新しく旅の相棒を務める桑子真帆アナに伝授したのが「ブラタモリ」のロケについての心得3カ条。「高低差を見逃すな」「上を向くな、下を向け」「スタッフに頼るべからず」の3つですが、そこには図らずも、人生を力強く歩いていくための大人の心得が詰まっています。

 ひとつめの「高低差を見逃すな」は、ロケの心得としては、断層が風化したようなところを見ることで土地の歴史や人々の暮らしが見えてくる、という意味。「ブラタモリ」のロケに参加するわけではない私たちにも、この言葉は大切なことを教えてくれます。

 学校の教えや建前では、人間や世の中は平等ということになっていますが、ご承知のとおりけっしてそうではありません。収入や能力や置かれた環境など、いろんな高低差があります。もちろん、高いからよくて低いからダメというわけではありません。しかし、高低差の存在から目をそらして「すべて平等」という前提で物事を見たり考えたりすると、いろんな無理が生じてきます。高低差を受け止めた上で、自分には何ができるのか、自分はどうしたいのかを考えるのが、現実に対する大人の立ち向かい方と言えるでしょう。

 ふたつめの「上を向くな、下を向け」という心得について、タモリはこう説明しました。

「いろんな地面に痕跡が、ヒントが隠されている。下を向いて歩け、涙をこぼせ。下を向くとお金持ちになる。頭を下げ続けると、それが返ってくる。そしてお金が増える。貧乏人が上を向く、涙がこぼれないように」

 冗談めかした言い方ですが、大人の教訓がいっぱいです。無理に自分を大きく見せようとして、見栄を張ったり強がりを言ったりしていても歩きづらいだけ。足元をしっかり見つめ、謙虚な気持ちで頭を下げ続けることが、きっと信頼や評価につながるでしょう。時には素直に泣いても、そこから明日に向かうエネルギーが沸いてくるはず。堂々と胸を張って、下を向いて歩きましょう。いや、胸を張り過ぎると不自然な態勢になりますが。

関連キーワード

関連記事

トピックス

SNSで出回る“セルフレジに硬貨を大量投入”動画(写真/イメージマート)
《コンビニ・イオン・スシローなどで撮影》セルフレジに“硬貨を大量投入”動画がSNSで出回る 悪ふざけなら「偽計業務妨害罪に該当する可能性がある」と弁護士が指摘 
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、入学式で隣にいた新入生は筑附の同級生 少なくとも2人のクラスメートが筑波大学に進学、信頼できるご学友とともに充実した大学生活へ
女性セブン
漫画家・柳井嵩の母親・登美子役を演じる松嶋菜々子/(C)NHK 連続テレビ小説『あんぱん』(NHK総合) 毎週月~土曜 午前8時~8時15分ほかにて放送中
松嶋菜々子、朝ドラ『あんぱん』の母親役に高いモチベーション 脚本は出世作『やまとなでしこ』の中園ミホ氏“闇を感じさせる役”は真骨頂
週刊ポスト
都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
人気のお花見スポット・代々木公園で花見客を困らせる出来事が…(左/時事通信フォト)
《代々木公園花見“トイレ男女比問題”》「男性だけずるい」「40分近くも待たされました…」と女性客から怒りの声 運営事務所は「男性は立小便をされてしまう等の課題」
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン