このとき、募集定員は2000人だったが、参加者はなんと5200人に達し、ほぼ全員が北京の人民大会堂で開かれたセレモニーに出席。当時の江沢民・国家主席、胡錦濤・副主席の歓待を受けた。中国メディアでも「過去最大級の使節団」と報じられた。
「二階氏は当時、訪中団のために運輸省、自治体、旅行業界、航空業界をまとめて実行委員会をつくり、全国から参加者を募集、各地の空港からチャーター便で送り込んだ。参加者は北京の他、上海や桂林、香港、重慶、大連、成都、洛陽などコースに分かれて観光した」(自民党古参秘書)
ちなみに、このとき二階氏の地元・和歌山でも、旅行代金1人14万円(ビジネスクラスは3万円アップ。ホテルの1人部屋は1万6000円アップ)で4泊5日のツアーを募集し、南紀白浜空港からチャーター便を飛ばした。
その後も、第1次安倍政権で自民党総務会長を務めた2007年には「日中2万人交流」を掲げ、わずか議員7人だった二階派の訪中団を組織して1000人を連れて行った。翌2008年に四川大地震が発生すると、素早くテントや食料品などの支援物資を集め、自公の「日中関係を発展させる議員の会」訪中団団長として全日空のチャーター機で現地に日帰りで届けた。
旅行代理店の業界団体「全国旅行業協会」の現役会長を務める二階氏は「日本の観光業界のドン」だけにツアー参加者集めはお手の物なのだ。
※週刊ポスト2015年3月13日号