自民党総務会長の二階俊博氏(76)は2月25日、「凍り付いたような日中関係を打破していく」と5月22日から24日まで中国を訪問することを発表した。その際に観光業界関係者ら約3000人が同行するとぶちあげた。
「二階先生を出迎えるホスト役として習近平・国家主席が出てくる可能性が十分にある。日本の他の政治家ではありえないVIP待遇を受けることになる。中国側がどれだけ二階先生の顔を立てているかがわかる」(日中関係筋)
尖閣諸島問題などで日中関係悪化が長引くなか、果たしてそんな大訪中団が集まるのか。小沢一郎氏が民主党の幹事長時代に訪中した際(2009年12月)も大所帯といわれたが、それでも640人。その5倍近い規模である。
二階氏は会見で、5月の訪中団について「制限しなければ5000人でも集まってしまう」と自信満々に語った。それを可能にする“力”が自分にはある―会見で胸を張る姿にはそんなアピールが込められていた。
二階氏がこの2月に大型訪問団を率いて関係が悪化している韓国を訪れた際は、募集1000人に対して1400人が参加した。旧知の仲である大財閥のひとつ、クムホアシアナグループの朴三求・会長や観光公社のトップら要人を同行者に次々紹介し、その人脈を見せつけた。
それは二階氏の力のほんの一端にすぎない。森内閣当時の2000年5月、運輸大臣だった二階氏は「日中文化観光交流使節団」を率いて訪中した。