放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深読みする連載「芸能耳年増」。今回は、いろんな意味で業界注目のフジの午後帯新番組に言及。
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「3度目の失敗は許されないので」
「それは、絶対あってはならないので」
フジテレビの幹部らが今年初めから、こう口にしている。それはもちろん、安藤優子さんをメインキャスターに据えた午後帯の新番組、『直撃LIVE グッディ!』(月~金 13時55分~)についてである。
同局が「打倒!ミヤネ屋」をスローガンに、同時間帯で新番組をスタートするのは確かに“3度目”となる。最初は、午前中の人気番組で、硬軟どちらの話題も仕切れて、人気もある伊藤利尋アナがメインだった『知りたがり!』を午後にスライドさせた。
ローカルから全国枠になるから、曜日レギュラーだったロンブーの田村淳をデイリーのレギュラーコメンテーターに昇格させたり、NHKの人気アナウンサーだった住吉美紀をMC陣に加えたりもした。
が、視聴率で惨敗したどころか、系列局の大半が「全部は取らない」(例:1時間分は自局で制作)という判断をするなど、いいところが何もないまま、わずか1年で終了してしまったのである。
いや“いいところ”はあった。毎分(1分毎の視聴率グラフ)が唯一ちょっとだけ上がるのは件の住吉美紀がレオタードに着替えヨガをやる“お天気”コーナーだった。
「どうして女に嫌われる人ばっかり、もってきちゃうんだろうね」とは番組を仕切っていた女性のチーフプロデューサーの、知人の言葉である。同プロデューサーは、かつて日曜夜の番組で伊藤利尋アナと山本モナを組ませた“張本人”でもあったからだ。
ちなみに住吉さんは、バラエティーに時々出すと(!?)“いい仕事”をしてくださる人だ。私が構成に関わっている『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に初めて出てくれたときは、「会うのが夢だった」という明石家さんまサンを前に番組冒頭から号泣。
さらには、「15年は続くと言われていた番組が1年で終わった」と『知りたがり!』に起用された際、恐らくフジテレビ関係者に言われたと思われる「15年は続くから」を披露し、自虐ネタにもっていってくれた。さらに“バツイチ”ネタもOK。つまり有働由美子アナをさらに過激にしたようなタイプだ。私はいまなら住吉さんが仕切る番組を“ちょっと”見てみたいと思うが、時既に遅し、だ。
そして…。