大手情報サービス企業として、多くの事業を展開するリクルートホールディングス。その1社・リクルートマーケティングパートナーズ(以下、RMP)が、新事業として小学4年生~中学生向けのオンライン教育サービス『勉強サプリ』の提供を開始した。少子化の今、なぜ新たな学習ビジネスに参入するのか? 同社の勉強サプリグループ グループマネージャー・中野慧さんに話を聞いた。
「子供の数の減少によって教育マーケットの縮小は確かに進んでいますが、一方で地域格差や所得格差など、教育環境における“負”を抱える子供たちはまだまだ非常に多い。どうしても、地方に比べ都会の方がより良い教育サービスへのアクセス機会は多く、所得面も一般的に高い方が、良い塾へ通えるといった傾向があります。こうした格差を埋める優れたサービスであれば、購入していただけるユーザーはまだ数多くいると考え、『勉強サプリ』の提供をスタートしました」(中野さん)
RMPは誰もが思う存分勉強できる機会を提供することを目的に、『勉強サプリ』に先駆け、2011年から高校生向けの『受験サプリ』を展開。質の高い講義動画や問題集など、豊富なコンテンツが月額980円の低価格で利用できることで人気を博し、わずか5年で全国の大学受験生の2人に1人にあたる、約30万人の利用者数を誇る。
多彩な情報サービス事業で培ったオンラインビジネスのスキル、コンテンツ制作力や人脈、そして『受験サプリ』で蓄積したノウハウが、今回の小中学生向けサービスにも活かされている。しかし、教育市場においては後発となるRMPが競合に勝ち抜き、小中学生という新たなユーザーから、同様の高い支持を得ることは容易なことではない。その戦略やコンテンツの特色には、どういったものがあるのだろうか。
「小中学生とその保護者にとって、教育への不満にはどのようなものがあるかをひも解いていくと、“学習が続く”その結果、“成績が目に見える”ことに集約できるとわかりました。既に言い尽くされていながら、依然として解消されていないこの課題に真正面から取り組むことが、『勉強サプリ』開発のテーマだったのです」(中野さん)