これまで使っていた電話番号にまったく未練がない人は番号なしのプランもよいだろうが、LINEを使うなら電話番号だけで送受信するショートメッセージのSMS機能は必須だ。30代会社員の男性は、SIMフリースマホ導入にあたってOCNモバイルONEのSMSつきに決めた。
「ガラケーと併用するので、スマホに通話はいりません。ただ、家族と連絡をとるのにLINEは欠かせない。LINEアプリは認証にSMSが必要だし、Gメールも認証にSMSがいる。最安ではないけれどSMSが受け取れるものにしました。それでも、大手の通信キャリアでスマホを使っていたときより、毎月の料金がガラケーと合わせても安くなりましたよ」
スマホとガラケーの2台持ちは面倒。やっぱり1台ですませたいから同じ電話番号を継続して使いたい人もいるだろう。その場合は、MNP対応している格安SIMがある。
【3】おサイフケータイは基本的にあきらめる
モバイルSuicaや楽天Edy、Waon、nanacoといった日本の携帯電話会社ならではの電子マネーは、スマホ本体にFelica(ICチップ)が埋め込まれていることで動作する。格安SIMを使う場合、新しいSIMフリースマホを買うのが標準だと思われるので、基本的におサイフケータイ機能は利用できないと考えたほうがよい。Felicaがついていない機種だからだ。
ただし、ある使い方をするとiD以外は使える道が残っている。Felicaが埋め込まれたスマホをSIMフリー化することだ。みずから格安SIMでテストを行った人たちの報告がネット上に増えているが、それらは中古スマホをSIMフリー化したものだ。それに格安SIMを入れて各おサイフケータイのアプリをダウンロードすると、iD以外は使用できたという。その代わり、スマホをモデムのようにするテザリングの機能は使えないとも報告されている。
しかし、おサイフケータイもそれほど強くこだわるものではないかもしれない。Felicaを内蔵していないiPhoneユーザーは、ICカード収納型ケースを使用して事実上のおサイフケータイ化を図っている。同様のことをSIMフリースマホでも実践できるだろう。
SIMフリースマホはこれからも新機種が増える見込みだ。先ごろ発表された世界のスマートフォンシェアをみると、1位はアップル、2位はサムスン、3位はレノボ(モトローラを含む)で4位は小米だ(調査会社ガートナー調べ)。3位と4位のスマホは今のところ日本で販売されていないが、どちらの幹部も日本市場進出に意欲をみせている。SIMフリーが広がることにより、ユーザーの選択肢はますます増えそうだ。