世間には様々な「◯◯ガール」「◯◯女子」が存在する。その中の一つ、「ジャズ女子」について、ライターのカーツ佐藤氏が解説する。
* * *
山ガールや歴女にはじまり、カープ女子にプロレス女子と、世間にゃいろんな“○○ガール”“○○女子”がある。そんな中、今一番新しい大流行中の○○女子といえば、これはもう『ジャズ女子』である。
しかし、そんなジャズ女子界に、さらなる新たなムーブメントが起きているという。
ストレートに音楽としてジャズを愛好するのがジャズ女子であると思いきや、それだけにとどまらない“隠れジャズ女子”といわれるジャズ女子が、実はこの日本にはとんでもない人数で内在していることが発覚したのだ!
理由は簡単だ。なにしろ世間にはジャズがあふれているのだ。
カフェでもバーでもレストランでも、ちょっと洒落た飲食店のBGMは圧倒的にジャズである。趣味のいい蕎麦屋やラーメン屋などでも、音楽はジャズというところが多い。つまりそういう店に出入りする高感度な女性は、自然とジャズを聴き続けていたのだ。
そして重要なことがある。ジャズの流れるそんなお店の中で、彼女たちはリラックスした楽しいプライベートタイムを過ごしているのだ!
そんな至福の時に自然と脳裏に記憶されていくジャズのフレーズ。そんな曲を好きにならない方がおかしい。「いい曲ね…」と思わないワケがないのだ。これが潜在的な“隠れジャズ女子”だ!!
その存在理由からして、実数が膨大な数字にのぼるということは容易に想像がつくだろう。ある意味、洒落た店に出入りする高感度な女性のほとんどが、潜在的に隠れジャズ女子であるといっても過言ではない。
しかし、そんな隠れジャズ女子たちは常にモヤモヤしているという。「いい曲ね…」と思った曲が、音楽ジャンルとしてジャズだということはわかっていても、その曲名すら知らない女性が大半なのだ。
だから、そんな彼女たちの間で、自分が気に入った曲の名前を教えてくれ、ちょっとしたウンチクでも語ってくれるジャズに詳しい男……いわば“ジャズオヤジ”の評判がすこぶるいい。
自分のモヤモヤを解消してくれるジャズオヤジ。そりゃあモテそうだ。それも潜在的にものすごい数いる女性にモテるってんだから、今ジャズに詳しくならない手はない! なにしろ、向こうも素人なんだから、ちょっと詳しくなりゃいいだけ。“オッカムの剃刀”(※注)のように、簡単な説明で充分効果的なのだ。
【※注:オッカムの剃刀/複雑な理論と単純な理論があれば、単純な理論を選択すべし、という考え方】
「エレクトリック以前のマイルスが本物のジャズだよ」とか「ビル・エヴァンスのピアノはショパンと同一ベクトル上にあるね」なんてウンチクぶってれば尊敬のまなざし確実! こんな簡単なモテ方はない。
ジャズの全てがわかるCD付きマガジン『ジャズの巨人』(小学館)なんてシリーズもこの春に創刊されるらしい。この際だから、なっとけジャズオヤジ!
■モデル/みなみ鈴(ジャズグラドル)