そもそもビフィズス菌とは、ヒトの腸内に棲む善玉菌のうちの大半を占める菌。B.ビフィダム Y株はそのビフィズス菌の一種で、胃の細胞や粘膜に張りつく力が強いのが最大の特徴。その能力を生かして胃に刺激を与えたり、粘液の産出量を増やしたりして、胃の不快な症状を和らげるのではないかと考えられている。
「今回の研究には、平均3つ以上の医療機関を受診しているにもかかわらず症状がなくならない人、つまり難治性の消化器症状に悩んでいる人に協力してもらいました。
こうした患者37名に、『B.ビフィダム Y株』を含む乳酸菌飲料を毎日100mlずつ4週間にわたって飲んでもらったところ、胃もたれ症状が改善しました。しかも、飲み終わって4週間後にも、もたれ感は改善されたままでした」(同前)
研究では、心理的な症状やストレスマーカーも測定した。
「その結果、心理的な状態としては、イライラ感が減り、飲用中は活気が出てきました。また、ストレスが軽減したという結果が示唆されています。これまで複数の病因を受診しても治らなかった症状が、食品によってこれだけ改善されたことは大いに意味があると考えています」(同前)
ビジネスパーソンには、胃の悩みがつきもの――とあきらめないで、身近な食品で手軽に胃のケア、というのが今時の心得かもしれない。