2006年のオシム監督以来となる就任からの2連勝を飾ったハリルJAPAN。「日本代表は明らかに進化した」と喜ぶファンは多いが、大きな宿題が残されたままだ。フリーキック(FK)のキッカー問題である。
2010年の南アフリカW杯以降、日本代表のFKは左利きのFW本田圭佑と右利きのMF遠藤保仁の2人が担ってきた。しかし、ハリルホジッチ監督就任で遠藤が代表から落選した今、右利きのキッカーが「空席」となっている。
もちろん、左利きの本田にも「指定席」は確保されていない。3月31日のウズベキスタン戦前にハリル監督は日本代表のFKについて、「ここ数年、ほとんど入っていない」とダメ出し。南アW杯のデンマーク戦、2013年の親善試合・ウルグアイ戦と、この5年間で2度しか決めていない本田を念頭に置いていることは明らかだ。
注目されたウズベキスタン戦では本田はFKを一切蹴らずに、FW乾貴士やMF柴崎岳、FW香川真司らが蹴った。サッカージャーナリストの河治良幸氏がいう。
「ハリル監督はFKを誰に託すかまだ決めかねているようです。今後、代表メンバーを絞り込んでいく中で決めるのではないでしょうか。
ザッケローニ監督もアギーレ監督も本田選手と遠藤選手のどちらが蹴るかは本人たちに任せていましたが、ハリル監督は細かく指示を出すタイプなので、今後は選手同士で相談して決めるようなことはないでしょう」