ただし、注意点があります。先ほど述べたように、相場にはサイクルがあり、この金融相場もそう長くは続きません。米国に続いて日本や欧州が金融緩和を終了する時期がやがてやってきます。私のイメージでは、あと1~2年といったところでしょうか。その後、金融緩和という下支えを失った世界経済がどう動くかは不透明で、運用が難しくなる局面も予想されます。
先まで見通せば、現在の金融相場の間にどれだけ稼げるか。それが大きなカギを握ります。目先で儲かったから、多少景気が回復したから、少し賃金が上がったから、などと気をよくしてお金を使っている時期ではありません。当たり前に聞こえるかもしれませんが、利益は狙おうと思わなければ手にできるものではないのです。いま徹底的に勉強して、実際に資金を投じてリスクにチャレンジし続けなければ、手にできるものは限られるどころか、失ったままになる可能性の方が高いわけです。
この1~2年の間に資本収益率(r)をどれだけ大きくできるか。「中流陥落」を避けるための分水嶺はそこにあります。
※マネーポスト2015年春号