実質負担2000円で各地の特産品がもらえると話題になり大ブームとなった「ふるさと納税」が新年度の税制改正により「確定申告不要」など、さらにお得になる。
注目が高まるのに伴って、自治体側の“贈り物”にもどんどんバリエーションが増え、「何でもアリ」の様相を呈してきた。
もらえる特産品には実にユニークなものもある。長野県飯山市では寄付額4万円以上で、市内に工場を持つメーカーの8型タブレットPCが贈られる。実勢価格は2万円以上とされ、1月の募集開始以来、申し込みが殺到。生産が追いつかず、受付を2度にわたって中断し、4月中旬の再開に向けて準備中だ。
岩手県二戸市では「特産品のりんごを贈呈」では新味がないと考えたのか、10万円以上の寄付に対して地元りんご園での「りんごの木のオーナー権」を提供する。天候などに左右されるものの例年11月中旬には1本の木から約36kg収穫できる。
50万円以上の寄付となるとさらにユニークだ。鳥取県倉吉市ではオリジナルの「手彫り仏像」が贈呈される。市の説明によれば、中国地方に5人しかいない仏師のうち3人が倉吉市在住。寄付者が希望すれば、市内在住の仏師が約1か月かけて仏像を手彫りする。
ただし、実質負担2000円で済む寄付の上限が50万円を超えるには、年収が2000万円以上必要(専業主婦の妻と2人で暮らすサラリーマンの場合)。高所得者をターゲットにしつつ、自治体としては話題作りも考えているようだ。
静岡県焼津市では100万円以上の寄付で「天然南マグロ」を丸ごと1本(約30~40kg)提供する。半年間、6分の1ずつの量を毎月届けてくれるが、そう簡単には手が出ない。
「マグロまるごと1本」を上回る寄付額を設定するのは富岡製糸場の世界遺産認定に沸く群馬県富岡市だ。