国内

5・17大阪都構想の住民投票 最後まで賛否は分からない状況

 大阪市を解体し、5つの特別区に再編することを柱とする「大阪都構想」の住民投票(4月27日告示、5月17日投開票)まで1か月を切った。

 橋下徹・大阪市長率いる大阪維新の会は、前哨戦と位置づけた府議選・市議選直前の“浪速のエリカ様”こと上西小百合衆議院議員のスキャンダル炸烈で思わぬ苦戦を強いられた。維新と反対派が激しく争う「大阪春の陣」で、「負ければ辞任する」と明言する橋下氏はいよいよ崖っぷちに立たされた。

 大阪府議・市議選投開票から2日後の4月14日、大阪市による住民説明会が始まった。会場には開場前から住民が列をなし、関心の高さを窺わせた。

 入り口では大阪市民であることを示す身分証の提示に加え、金属探知機によるボディチェックも行なわれる物々しい雰囲気に、「わしらはテロリストか」と憤慨する市民の姿もあった。

「橋下市長にはこれまでに殺害予告の脅迫状が送られたことがある。住民は驚くかもしれないが、万が一に備えるためだ」(維新関係者)

 橋下氏の説明に住民らは熱心に耳を傾けていたが、質疑応答では批判的な意見や野次も飛び交い、橋下氏が「僕が間違っていると思うなら住民投票で反対して」とヒートアップする場面も見られた。橋下氏がこれまで以上に必死になるのは訳がある。

 府議選は42議席、市議選は36議席を獲得し、いずれも第1党の座を確保したが目標の過半数には及ばなかった。橋下氏は「一定の成果は出た」としながらも微妙な表情を浮かべ、維新の会幹事長の松井一郎府知事も「過半数に及ばなかったのは負け」と敗戦を認めた。

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