激しい視聴率戦争を繰り広げる朝の情報番組のなかで、この4月から5年目に突入した『モーニングバード』(テレビ朝日系・毎週月曜~金曜8時~9時55分生放送)。羽鳥慎一、赤江珠緒という2枚看板のキャスターで戦うこの番組の裏側を小寺敦チーフプロデューサーに訊いた。
──プロデューサーという立場から、羽鳥キャスターについてどんな人物だと考えていますか?
小寺:たとえば、みのもんたさんや小倉智昭さんは、歯に衣着せぬ意見で“直球勝負”みたいな部分があると思うんですが、羽鳥さんはサイドスローで優しく投げるタイプですね。
以前『モーニングバード』で、電信柱に迷い犬のポスターを貼ったら景観を損ねるという理由で書類送検されたという話題を扱ったことがあるんですよ。そのとき羽鳥さんは「お巡りさんの仕事は書類送検することではなくて、いっしょに迷い犬を探すことだと思うんですよ」ってコメントしたんですね。「世の中はこうあるべきだ!」っていう豪速球ではないけど、「人の優しさってこういうものですよね」っていう球を投げられるタイプが羽鳥さん。計算とかではなく、人の情を素直に表現できるタイプなんだと思います。
──羽鳥さんのような優しい球を投げられるタイプは、今の時代にフィットしていると思いますか?
小寺:いつの時代でも求められているとは思うのですが、テレビ番組のMCを務める人のなかでは、羽鳥さんのようなタイプは少ない。やはり、自分の意見を主張したいという人が圧倒的に多いですからね。でも、羽鳥さんは自分の意見だけではなく、ちゃんと人の意見を聞いて尊重することができる。そういう意味でとても貴重な存在だと思います。
── 一方、赤江珠緒さんについてはどうですか?