独特の芸風をウリに活躍しているお笑い芸人・エスパー伊東(54才)。自ら「結婚式余興芸人」と言うほど、最近では、各地の営業に引っ張りだこだ。人気シリーズ「転機」の今回は、エスパー伊東に印象に残っている営業エピソードや失敗談を聞いた。
――現在の仕事は、結婚式の営業が中心だそうですね。
エスパー:そうですね、デビューして10年くらいは学園祭や企業のパーティーが多かったのですが、1999年頃から結婚式の営業が増えました。
――今までの営業で、思い出に残るものはありますか?
エスパー:やっぱり、業界系がインパクトありますね。某有名音楽グループのツアーの打ち上げパーティーに呼ばれた時は、何から何まで豪華でビックリしました。ぼくの他にもパンクブーブー、COWCOWなどの芸人が営業に来ていて。その他、安室奈美恵さんの誕生会や、美空ひばりさんの息子さんの加藤和也さんの結婚式にも呼ばれました。加藤さんの時はネタをしなくていいと言われ、有名な演歌歌手だらけで驚きましたね。
――ネタ中、失敗することもありますか?
エスパー:いっぱい失敗していますよ(笑い)。ブロックを頭で割ろうとした時に、逆に額が割れて流血しました。タオルを敷き忘れたんです。それから、鎌ヌンチャク芸の途中で紐が切れて鎌が飛び、あと30cmくらいで観客の女性に刺さりそうなこともありました。“空飛ぶ殺人鎌!”ってスポーツ紙の記事になりました。
効かないと豪語しておいて、柔道技で数秒で落とされて観客に失笑されたり、学園祭でヤンキーに酒まみれにされたり、ショーの途中で舞台に乱入してきたニューハーフにキスされそうになって騒ぎになったり、挙げたらきりがないです。
――いろいろあるんですね。では、営業で一番盛り上がるネタは?
エスパー:“爆裂鼻手袋”は派手なので盛り上がりますね。手術用のゴム手袋を頭から顔半分被って、鼻息だけで手袋を風船のように膨らませて割るんです。あとは“高速真っ黒”といって、30秒でホワイトボードを真っ黒に塗りつぶすというものです。それから、体を小さくたたんで小さなバックに入る技は人気です。ぼくのトレードマークにもなっています。
――営業の収入で、けっこう稼いでいるんじゃないですか?