今モデルでもタレントでもない一般人が“ファッションモデル化”している。ファッション誌で昔からある街角ファッションスナップとは違い、おしゃれな一般の人たちにスポットを当てて特集ページを作るなど、ファッションで普通の人たちが脚光を浴びている。インスタグラムでも、おしゃれ上手な人、それも子持ちの主婦だったりするのだが、ファッション業と関係ない普通の人達に5万、10万単位でフォロワーがついているのだ。
女性ファッション誌『CLASSY.』は、インスタグラムで人気のおしゃれ一般人の私服やスニーカーを紹介する企画で2度にわたり特集している。ヘアアレンジがとにかくかわいいと話題になっている福岡の美容師・Rumiさんも『mina』でヘアアレンジ特集が組まれたりムックが発売されるなど、SNSをきっかけに注目されている。
なぜ近ごろ一般人がモデル化しているのか。「リアリティを求める時代になってきたから」と語るのは、『LEE』や『MORE』を中心に活躍するファッションライターの川口ゆかりさん。川口さん自身も『LEE』で私服を着て見せる2Pの企画が読者の反響を受け、増ページの6Pで誌面に再登場している。
「私服を着て見せることのほかにも、子供がいる自宅で撮ったりするリアリティのある感じが好評だったと聞きました。今はモデルさんで素敵に作ったページよりも、子供がいるとか、自分とリンクして身近に感じられる普通の人が買った物のほうが見たいという声が多いようです」(川口さん、以下「」内同)
インスタグラムで投稿された洋服コーディネート写真が「おしゃれ」「素敵」と何万ものフォロワー、ファンが付き“タレント化”している一般人は多数。その大半は子持ちの主婦で、ユニクロやGU、GAPといった身近で“プチプラ”な洋服を上手におしゃれに着こなしている。そんな彼女たちが人気を集めているわけは、「リアル」で「身近」であること。
「完璧じゃないところがいいんだと思います。ただキレイなだけでは受けないんですよ。スタイルも顔立ちも全部完璧なモデルと比べても、自分とは違うしと思いますよね。だけど自分と同じように、身長が低いけどかわいく着ているとか、30代で子供がふたりもいても、こんなにおしゃれに着こなせているなら私もなれるんじゃないか、という身近な憧れが受けているのかなと思います」