政権、スポンサー、芸能事務所など、テレビ局はさまざまなタブーに配慮し、その顔色を窺いながら番組づくりを行っている。そのなかでも、現場の番組スタッフたちがいま、一番恐れているのが「BPO(放送倫理・番組向上機構)」だ。
過去にBPOで問題になった主なテレビ番組を紹介しよう。
●TBS『みのもんたの朝ズバッ!』(報道)/2007年1月22日放送
不二家で賞味期限切れチョコレートの再利用があったとの内部告発に関して、取材や演出に問題があったと指摘された。放送倫理検証委員会が初めて手がけた事案で、委員会は「番組は、もっとちゃんと作るべきだ」とする見解を出した。
●日本テレビ『真相報道 バンキシャ!』(報道)/2008年11月23日放送
岐阜県が発注した土木工事に絡み裏金作りが行われているという建設会社役員の証言をスクープとして報じたが、証言が虚偽であることが判明。放送倫理検証委員会は、日本テレビに検証番組の制作などを求める勧告を出した。
●TBS『情報7days ニュースキャスター』(報道)/2009年4月11日放送
大阪府の府道と国道との交差点で、大阪府の清掃車が国道を清掃しないようにする映像を、二重行政の象徴的場面として放送したが、通常の作業と異なり、TBSの依頼によるものだったことが判明。放送倫理検証委員会の討議中に総務省が行政指導したことに、同委員長が「重大な懸念」を表明する談話を出した。