大阪・PL学園高等学校は、誰もが知る野球の名門校だが、昨年10月に新入生部員の募集停止を発表し、存続の危機に陥っている。母校の黄金期を支えたOB、片岡篤史(1988年卒、元日ハムほか)、橋本清(1988年卒、元巨人)、大西宏明(1999年卒、元近鉄ほか)の3氏が緊急集結。あの“栄光の日々”を語り合った。
大西:僕は高校時代、お2人が春夏連覇された時のビデオを見ろと、寮の応接間によく集められました。
片岡:僕らの世代は橋本の他に立浪和義(元中日)、深瀬猛(元PL学園コーチ)、岩崎充宏(元青学大)と中学から有名だったヤツがいっぱいいた。PLは全寮制だから入寮式の時に顔を合わせるんやけど、僕も182センチでデカいほうやったのに、それでも僕よりデカいのが橋本含め3人おったからね。僕なんかがここにおってエエんかなっていう独特の雰囲気。2コ上には凄い先輩もいたし(注・KKコンビの世代)。
橋本:3月20日に寮に入って、すぐにバスに乗せられて甲子園までセンバツの応援に行ったよな。バスの中で先輩から「寝るな」といわれて怖かった。
片岡:それでも船を漕ぐヤツがおって、先輩に注意されて。なだめた別の先輩が、「まあ待てや、まだお客さんや」といってて、補助席で真っ青になったわ。ただそのセンバツはベスト4で負けた。あの時は何ともいえん雰囲気やったよな。
橋本:甲子園のベスト4やのにね。よくやったではなく、お前ら全国優勝でけへんのか、やからね。
大西:僕も入寮の時、「何のためにPLに入った」と聞かれて、甲子園に出るためですと答えたら「アホか、全国優勝するためやろが」って注意されたのを覚えています。PLではそれが当たり前なんですよね。
片岡:しかし桑田(真澄)さん、清原(和博)さんら、3年生の練習は見ていて怖かったよな。物凄く上手く見えて、2年後本当にこんなになれるんか、という気持ちになったよね。
橋本:練習でポンポンホームランを打つ。特に清原さんの打球は外野ネットのはるか上空を飛んでいく。
片岡:練習でゴロを打ったのを見たことがない。試合でもショートゴロやセカンドゴロはほとんどない。