時を超えて色あせない古き良き笑いや娯楽に出会える場所が、東京にはまだまだ多い。『笑点』の人気者で下町を知り尽くす林家木久扇師匠(78)に、指人形コントを楽しめる谷中の『指人形 笑吉(しょうきち)』を案内してもらった。
「この人形、歌丸さんにソックリだねぇ。ひとつ貰って踏んづけちゃおう(笑い)」(木久扇師匠)
昭和の風情が残る下町、台東区谷中の大通りから小道に入ると屋号ののぼりが。10人も座れば満席という店内は、指人形のショールーム兼劇場。北島三郎やビートたけしら有名人を模した指人形が60点以上並ぶが、どれも老人の顔だ。
「若いツルリとした顔より、お年寄りの方が味のある表情を作ることができるんですよ」(店主・露木光明氏)
3分ほどのショートコント11本が上演されると、どの客も破顔一笑。人形の制作から脚本、演技まで露木氏の一人芸。
「外国人にもウケるから、東京オリンピックでは繁盛するでしょうねえ。私もやりたいなぁ(笑い)」(木久扇師匠)
木久扇師匠も自分の指人形を注文、後日、『笑点』で使うという。
■「指人形 笑吉」:台東区谷中3-2-6/【営業時間】10~18時/【料金】コント観劇料500円/【定休日】月・火
撮影■江森康之
※週刊ポスト2015年5月22日号