放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、視聴率低迷が続く『直撃LIVEグッディ』の挽回策を提案。
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視聴率1%台がフジテレビの社長会見でも話題になった『直撃LIVEグッディ』(フジテレビ系)。「打倒!ミヤネ屋」としてスタートするも、視聴率では『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)にダブルスコア、トリプルスコアで負け続け、第2部で1%台を記録したタイミングで記者から問われた亀山千広社長が、「あの枠の安藤さんになるのも時間が必要」とコメントしたのは4月24日のことである。
バラエティー番組の場合、MCによって視聴率が上下することはそうないのだが、生の情報番組においては、番組MCのキャラクターや好感度が視聴率に関係してくる。
テレビの生ワイドの番組MCは、ラジオの生ワイドのパーソナリティーのようなもの…と言えばわかりやすいだろうか。視聴者(聴取者)は、メインで仕切る人が何を言うのか、情報をどう斬ってくれるのかにおおいに期待しているのである。
たとえば、『~ミヤネ屋』や『~グッディ』と同じ時間、関東のラジオ局でもっとも聴取率を獲っているのが『大竹まこと ゴールデンラジオ』(文化放送)だと聞けば、さらに、おわかりいただけるだろう。『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)で長年論客を務め、実は『~ミヤネ屋』が全国枠になる前のレギュラーコメンテーターの一人でもあった大竹には、視聴者が何を望んでいるのかや、枠の特徴などがしっかり身についているのだ。
『直撃LIVE グッディ』には、フジテレビがマーケティング調査で「嫌いだという人がいなかった」という理由で選んだ俳優の高橋克実もMC席に座っているが、やはり視聴者が見ているのは安藤優子。いや、視聴者だけではない、スタッフも幹部も注目し、期待していたのは、高橋克実ではなく安藤優子であったハズだ。
だが、亀山社長が言う「あの枠」で、安藤優子はさっぱりウケていない。「フツーの主婦に対して上から目線」「生活感が全く感じられない」「おばさん感も皆無」などがアンチの代表的意見である。
確かに『~ミヤネ屋』の宮根誠司は、スタッフやリポーター、コメンテーターに対して上から物を言う(ように見せかける)ことはあっても、視聴者に対しての“上から目線”は一切ない。また、値段やギャラにうるさく、自分は関西出身ではないのに、大阪のオッチャン、いやオバチャンとして、「あの枠」の「在宅主婦」の心を掴んで久しい。そんな宮根がオバチャンパーマのカツラを着けて、割烹着やエプロン姿で小芝居しながらコーナーを展開することも以前はあった。
もちろん、それと同じことを安藤優子にさせるのは無理というもの。いまさら彼女に生活感を求めるのも難しいだろう。