マダニが媒介する病気で、つつが虫病がある。つつが虫の幼虫に吸着されて発症する。身体がだるく40℃近い高熱が起こり、4~5日目には身体に赤褐色の発疹が現われる。早期治療で回復するが、重症化すると脳炎のような症状が起こり、死に至ることもある。かつては山形、秋田、新潟地方の風土病といわれていたが、現在は沖縄と北海道を除き全国に広がっている。
「腸チフスや赤痢など、日本ではあまり見かけなくなった感染症の方も増えています。東南アジアへの旅行で生モノを食べたり、あるいは海外からの保菌者が来日して、日本人が感染し、発症したりと感染ルートは様々です。高熱を市販の解熱剤で治療すると悪化することもあり、勝手な判断は危険です」(濱本院長)
発熱は体内の異常を知らせるシグナルで、がんや膠原病(こうげんびょう)などでも発熱が起こる。怖い病気が潜んでいることもあるので、不明熱は早めの受診が欠かせない。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2015年5月29日号