薄着の季節がやってきた。そこで男性が気になるのは女性の谷間。ついつい目がいってしまうのは仕方が無いところならば、いっそ褒めてはいかがか。谷間の褒め方について、大人力コラムニストの石原壮一郎が熟考に熟考を重ねたアドバイスを贈る。
* * *
世の中にはさまざまな価値観があふれています。物事にせよ人物にせよ、見方や判断や好き嫌いはさまざま。人と人とは、しょせん分かり合えない宿命なのでしょうか……。
いや、そうではありません。男性に限った話ではありますが、誰もがもろ手を挙げて、異論のかけらもなく、素直な気持ちで「大好きだ!」と言い切れる対象があるじゃありませんか。そう、女性の胸の谷間です。「谷間」という言葉を聞いて、「谷間」を目の当たりにして、嫌な気持ちになる男性はいません。胸の谷間は、無数の価値観が錯綜し時に対立する現代社会において、一種の救いであり希望であると言えます。
そんなわけで、先日ご好評いただいた「尊く美しいおっぱいの褒め方」の続編的な意味も込めつつ、胸の谷間のホメ方についてじっくり考えてみましょう。おっぱいの場合はホメるシチュエーションが限られていますが、谷間は服を着ている状態でもホメることができます。いよいよ薄着の季節、いろんな場面で果敢に繰り出しましょう。
従来、谷間には「I型」「Y型」があると言われてきましたが、僭越ながら不肖私、そのどちらにも当てはまらない型を発見しました。それは、谷というより丘に近い「U型」です。谷間を横目で、あるいはしげしげと見る機会があったら、まず最初に「I」「Y」「U」の3つのタイプのうち、どれに当てはまるかを判断してください。
もっとも谷が深く、十分にボリュームがあるおっぱいでしか作れないのが「I型」です。無論、おっぱい同様、どのタイプの谷間にも優劣や貴賤はありません。ただ、迫力という点では「I型」は他の追随を許さないし、持ち主も自分の谷間に自信や誇りを持っています。それだけに、感謝や称賛を念入りに伝えたいところ。
「高い山に登って谷を見下ろすと吸い込まれそうになりますけど、まさに、そういう感覚を呼び起こす谷間ですね」
たとえば、そんな言葉を贈ってみましょう。「いい谷間を見せていただきました。ありがとうございます」と言って、手を合わせて拝んでも喜ばれそうです。
おっぱいの上部にも谷がある「Y型」は、魅惑的ではありますが、寄せて上げて作られている可能性が大。いや、だからといって値打ちが下がるわけではありません。「偽物」呼ばわりするなんてもってのほか。いまそこにある状態こそが谷間にとっての「真実」であり、谷間の魅力を感じ取ってほしいという持ち主のやさしさや心意気も「真実」に他なりません。谷間は、大人にとって「真実」とは何かということも教えてくれます。
このタイプの谷間は、持ち主も夢を託しているだけに、幻想的な表現でホメたいところ。
「まるでマリアナ海溝のように、どこまでも深く、どこまでも神秘的な谷間ですね」
「まだ行ったことはありませんが、世界遺産のグランド・キャニオンというのは、きっと〇〇さんの谷間のように得も言われぬ美しさをたたえたところなんでしょうね」
そんなふうに言ってみるのはどうでしょう。世界規模でホメられて思いっきり胸を張ってくれたら勢い余ってポロリも……いや、それはないか。すいません。