気象庁の予想によると、今年は6月から気温が上がり、真夏日も多くなりそうだ。そうなると心配なのが熱中症。5月1日~17日の東京23区内だけで45人もの熱中症患者が発生している(国立環境研究所調べ)。熱中症とは、高温の環境下で体内の水分やミネラルのバランスが崩れたり、体内の調整機能が低下するなどで発症する障害の総称で、最悪の場合には死に至ることも。体温調節や発汗機能が低下している高齢者には特に注意が必要だ。
全国的に涼しい夏となった昨年でも、熱中症による搬送者は4万人を超えている(総務省消防庁調べ)。気をつけていても、冷夏では暑さに慣れる機会が少ないため、急に気温が上がると体が暑さに対応できず、熱中症を発症してしまうのだ。それでは、熱中症のリスクを下げるためにはどうしたらよいのか。
熱中症に詳しい「ノザキクリニック」の野崎豊院長は水分とミネラル補給の重要性を説く。
「熱中症対策としては、しっかり水分とミネラルを補給することです。水分・ミネラルの補給は血液内に吸収されたときにしか効果がありません。一度に大量に摂るのではなく、毎日の習慣としてこまめに摂取することが大切です」
ミネラルは体内で作ることができないため、昆布、梅干し、塩あめ、アーモンドなどミネラルを含む食品から摂取する必要がある。なかでも、いつでも手軽に、また水分も同時に摂取できるミネラル入りのむぎ茶がおすすめだ。
「当クリニックが実施した共同研究では、ミネラル入りむぎ茶には血液をサラサラにする効果があること、それが熱中症に一定の効能があることがわかりました。体内で発生した熱は、血液によって皮膚に集められ、その熱を体外に放出して血液の温度を下げ、それを体内に戻していくことで、下げられます。しかし、水分やミネラルが不足していて血液がドロドロの状態になっていると、流れが悪いために、皮膚に血液を集めることができず、熱の放出ができません。その結果、熱が体内にこもって熱中症を発症してしまうのです。ですから、血液をサラサラにしておくことが大事です。
また、血液がドロドロしていると血液中にかたまりができることもあり、それが心筋梗塞や脳梗塞などを発症させる恐れもあります。『血液サラサラ効果』は、それらの予防にも有効だと言えるでしょう。さらに、ミネラル入りむぎ茶は、体の余分な熱を奪い、体の内部体温を低下させますから、熱中症対策には効果的と言えます」(野崎豊院長)