夏目漱石や谷崎潤一郎らが愛した栃木県の塩原温泉。豊かな緑に囲まれ、美しい渓流を臨む共同露天風呂「不動の湯」が6月1日に閉鎖された。県の観光ポスターにも起用された名所に何があったのか。管理する地元自治会の会長が、苦渋の決断を下した背景を話す。
「1年ほど前から毎週末、淫らな行為をする男女10数人が来るようになりました。インターネットで参加者を募ってやって来ているようで、本番行為などを繰り返し、他のお客さんから苦情が相次いだため閉鎖しました」
国道から吊り橋を渡り、山の遊歩道を3分ほど歩くと現われる利用料200円の混浴の秘湯。監視員がいないゆえの被害となったが、ここは混浴乱交マニアの間では「例の温泉」と呼ばれる有名なスポットで、アダルトビデオの無許可撮影や盗撮が横行していた。周辺には避妊具が捨てられていたケースもあった。
「不動の湯」は今後、監視員を置くなど対策を講じて再開を目指すという。
撮影■佐藤敏和
※週刊ポスト2015年6月19日号