その道の達人たちはプライベートでどんなツールを選んでいるのだろうか? 炭火で食材を焼くのはキャンプやバーベキューの醍醐味だ。しかし、火の点け方を一つ間違うと、せっかくの食材が台無しになりかねない。専門家は何を選んでいるのか。野外料理研究家の太田潤氏が愛用している「森の着火剤」(ユニフレーム)の魅力を語る。
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野外料理は薪や炭で火をおこすことから始まる。その際に着火剤は手軽で便利だが、選び方には注意が必要だ。長年、雑誌『アウトライダー』(バイクブロス刊)などで野外料理をレクチャーする中で様々な着火剤を試してきたが、最大の悩みが「臭い」だった。
着火剤の中には火が点いた時、油臭くなるものが少なくない。アルコール成分が含まれていたり、豆炭にオイルや灯油などを染み込ませたりしたものがあって、そういった種類のものから火をおこすと臭いがきつい。
調理中に激しく燃え上がってしまう場合もあって、その火が食材にあたるとせっかくの炭火焼き料理に油臭さが移って味がガクッと落ちる。「炭で焼いた秋刀魚なのに油臭い」なんてことが起こりうる。しかもそうした着火剤は燃えクズが残ってしまうことが多い。だから昔は着火剤を使うことに後ろ向きだった。
それがずいぶん前のことだが、「森の着火材」を見つけた。発売時にメーカーから提供され試してみたのが最初で、驚いたことに燃えても臭くないし、燃え残りもほとんど出ない。ゆっくりと燃え上がるので点火の時にも安全。この着火剤と出会って以来、仕事で野外料理を作る時はもちろんのこと、プライベートで行くキャンプでも使い続けている。間伐材を原料にしていて人工的なものではないという点も、使っていて気持ちがいい。