今年、放送開始から22年目を迎え、女子高生からおじいちゃんおばあちゃんまで、幅広い層で安定した人気を得ている朝の情報番組『めざましテレビ』(フジテレビ系・毎週月~金曜5時25分~8時)。ライバル番組が多くあるなか、常に好調をキープ。22年間貫いている番組のコンセプトやこれまでの苦労について、6月下旬まで同番組のチーフプロデューサーを務めた角谷公英さんに聞いた。
──情報発信で気をつけていることはどんなことですか?
角谷:50代の三宅さん(三宅正治キャスター)と軽部さん(軽部真一キャスター)という2人の“お父さん”を媒介にして情報を伝えるようにしています。番組には疑似家族みたいなところがあって、そこにはどこの家族でもしているようないろんな話題がある。その疑似家族を番組上で視聴者に体験していただきたいなというようなイメージで作っています。
──番組内で疑似家族を作るというのは、前メインキャスターの大塚範一さんの時代から意図してきたんですか?
角谷:そうです。高島さん(高島彩)と大塚さんなんて年齢差が30才くらいあるんですけどね(笑い)。職場として考えたら上司と部下ですけど、このスタジオに入った瞬間に家族になってくださいと言ってますので。それは22年間ぶれない『めざましテレビ』の方針です。
──ずばりライバルは『ZIP!』(日本テレビ系)?
角谷:急に視聴率が上がってきましたからね。でも、うちはオンリーワンを目指したいなと思ってます。数字だけを追いかけてると、番組のブランディングとか家族感とかそういったものがなくなっていくんです。確かに数字は大事です。1位は取りたいです。でもそれよりも見た人が、いいなこの家族、と思ってくれることを大切にしたいですね。
──大塚さんが病気(2011年、急性リンパ性白血病)になった時は、どう対応したのですか?
角谷:最初の病院に行った時も一緒でしたし、スタッフにずっと言えずに1週間ぐらい黙ってました。病名を告げられた時は、番組そのものをどうしようか…要するに親父がいなくなるわけですからそれをどうしようかということで頭がいっぱいで、あとは治療法がないか白血病の分野のいろんな権威の人のところへ走り回ったり、そんなことを半年以上やってました。
──それはお父さんがいなくなる危機感みたいなものですか?