放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、業界きっての“女子アナウォッチャー”である山田氏が、いろんな意味で注目の日テレ笹崎アナに迫る!
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初夏は新人アナ“初鳴き”のシーズンだ。“初鳴き”とは、入社したてのアナウンサーらが研修を終え、初めてアナウンスの仕事をするもので、局によっては“声出し”と呼ばれているところもある。
視聴者にもっとも有名な“初鳴き”場面は、フジテレビの『27時間テレビ』エンディングのスポンサー読みだろう。
そして、全国の新人アナウンサーのなかで、もっとも有名な…というか、一人だけ突出して名前を知られている日本テレビの笹崎里菜アナにも初鳴きシーズンが訪れた。なぜ、もっとも有名か? 説明は不要だろう(苦笑)。
最初のテレビ出演は、同局の人気バラエティー番組『1億人の大質問!?笑ってコラえて!』。研修担当のベテラン、豊田順子アナから、名前の「ささざき」が言えていないことを指摘され、「舌の力が弱い」「サボってきている」と厳しい指導を受けたことが話題になった。
アナウンサーにとって、サ行は確かにイヤな行であり、それが続く「ささざき」という名字であることは笹崎アナにとってアンラッキーだったかもしれない。
ちなみに、最近のアナウンサーはサ行とカ行の無声化ができていないことを問題視するベテランアナも多い。たとえば「~~~です」という文末の「す」は、正しいアナウンスでは無声音にならなければいけない。
文章で説明するのは非常に難しいが、往年のアナウンサーの「です」と最近のアナウンサーの多くの「です」を聞き比べていただけばわかると思う。後者の「す」は、前の「で」と同じ大きさで発声され、なんとも聞きづらいのである。
まぁ、そんな細かいことも昔ほど厳しくは言われなくなってきた。そして声も同様である。「アナウンサー=美声」も今は昔。それもそのハズ、「声でなんかでは、採っていませんから」と、某在京局の採用担当アナが当たり前のように言っていたのを聞いたのは、いまからもう10年以上も前の話である。
もちろん、顔が見えないラジオ局はいまだに声を重視している。新人アナ採用では「在籍しているアナに、このタイプの声が足りないから、今度はこの子を採ろう」と、声の高低や質が重要視される。が、やっぱり、いまのテレビ局では、“顔採用”なのだろう。