日本の政府債務(財投債も含む国債発行残高)を対GDP比で見ると、現在は229%だ。アメリカは111%、イギリスも113%、ドイツは79%で、G7の中では日本は群を抜いて高い。日本はギリシャの188%を大きく上回っている。しかもよく見ると、借金の上昇曲線の形が不気味に似ているのだ。
日本とギリシャの置かれた状況が似ているのは「借金大国」ということだけではない。GDPに対する年金や医療など社会保障費全体の比率が増加の一途をたどっている点もそっくりなのだ。
ギリシャのGDPに占める社会保障費の割合は、1980年の10.3%から2011年には25.7%に増えている。一方、日本も1980年にはギリシャと同じ10.3%だったが、2011年には23.7%まで拡大。グラフ化すれば類似は一目瞭然になる(グラフ3)。
たとえば、社会保障が充実しているといわれるスウェーデンを見ると、同じ期間で26%→27.6%と、ほとんど変わっていない。高福祉でも制度が正常に機能している証拠だ。
日本の財政が抱える問題は高齢化に伴って社会保障費が増え続けていることだ。ギリシャも日本と同様の問題を抱え、世界各国と比較しても、日本とギリシャは全人口に占める65歳以上の人口比が非常に高くなっている。