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巨人V9 5番に生え抜きの末次民夫を据えたから可能になった

V9時代を振り返る元巨人軍の3人のエース

 巨人V9から50年目の節目となった今年、『巨人V9の真実』(小学館)が出版されたのを記念し、V9時代を支えた巨人のエース、400勝投手の金田正一氏、「エースのジョー」と呼ばれた城之内邦雄氏、そして栄光の18番を背負った堀内恒夫氏が一堂に会し座談会を行なった。座談会では不調に陥っているいまの巨人軍と、その原因のひとつである頼れる正捕手についてV9戦士たちの本音が飛び出した。

──お三方の球を一番受けた森昌彦(現・祇晶)さんはどんな捕手でしたか。

金田正一(以下、金田):リードしているようでしていない名キャッチャーだったな。

城之内邦雄(以下、城之内):それでいいんですよね。むしろ今の捕手は、なぜやたらにアウトやインに移動して構えるんだろうと思う。気配でヤマを張られるだけ。ど真ん中に投げても必ずどちらかに逸れるんだから、真ん中にどっしり構えて投げやすくしてもらうのが一番いい。

金田:森はそれを心得ていたんだよな。だから構えをいちいち変えなかった。

堀内恒夫(以下、堀内):でも森さんは打たれてベンチに戻った時、川上(哲治)さんに怒られたら必ず「サイン通りではなく、ど真ん中に来た」って言い訳してましたね。ところが「ど真ん中」といっていた時に、センターから帰ってきた柴田(勲)さんが「いいコースだったな~、あれは打ったヤツを褒めないとな」っていって大笑いしたことがありました。

城之内:森さんはキャッチングが上手かったよね。パスボールをしない捕手だった。当時はサイン盗みを防ぐために真っ直ぐのサインでシュートを投げたりもしたけどうまく受けてくれた。

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