ネットによる「音楽の定額配信サービス」が本格化してきた。新しいネットサービスが始まると、動きが活発になるのが「意識高い系」の人々。音楽ファンであり、「意識高い系」ウォッチャーでもある千葉商科大学国際教養学部専任講師の常見陽平氏が「AppleMusic」について語る。
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6月30日、ついにAppleMusicがスタートしました。他にもAWA、LINE MUSICなど音楽の定額配信サービスが盛り上がっています。
ちょうど7月7日のNHK「クローズアップ現代」は、まさにこの定額配信などを中心とした音楽特集でした。長年、ラジオDJなど音楽に関わっているピーター・バラカンさんがスタジオゲストで、他にも佐野元春さん、サカナクションの山口一郎さんなどのミュージシャンや、cakesを運営するピースオブケイク社の加藤貞顕さんなどのコンテンツ・ビジネス関係者が登場し、音楽定額配信に関する意見や、音楽の楽しみ方の変化について語っていました。
というわけで、音楽の定額配信が日本でも本格化したわけですが、この件、音楽ファンであり、意識高い系ウォッチャーの私としては、たまらないイベントでした。私、意識高い系の人たちのTwitter、Facebookを見て、面白がるのが趣味なのですが、AppleMusicやLINE MUSICなどのサービス開始前後の意識高い系のコメント内容が香ばしいこと。
「これで音楽の楽しみ方が変わる」などと言ってみたり、「プレイリストを作ってみたぞ」なんてことを言い出すわけですが、コメント内容から普段から音楽を聴いていないことがバレバレだと感じたりするわけです。お前、音楽詳しかったのかよ、と。そして、サービス開始後、しばらくしたら、まったくこの件には言及しなくなるわけです。まあ、定着して普通になったとも言えるかもしれませんが。
ネットでの新しい取り組みが始まると、意識高い系はネット上で大騒ぎを始めるのですが、その後、すぐに黙るのが特徴です。そして、深いことは語れません。ネット選挙解禁の際も、事前に大騒ぎしましたが、その後はすっかり黙ってしまいました。そして、政治そのものについて何も語れない。これも意識高い系の特徴でしょうか。
今回も、音楽配信について一斉に語りつつも、音楽について何も語れないことが可視化されました。AppleMusicの「はじめてのEXILE」プレイリストでも聴いとけと言いたいです。まあ、こういう風に普段、音楽を聴かない人たちが騒ぎ出すということは音楽市場を広げているとも言えるのでしょうけど。