韓国でサッカーといえば、国技といってよいほど人々が誇りを持つスポーツだ。日韓サッカー界は切磋琢磨する存在ながら、2002年の日韓W杯4位の快挙をはじめ、韓国は日本の一歩先を歩んできた。しかし、昨今、その関係が変わりつつある。フリーライターの張赫氏がレポートする。
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現在、発表されている国際サッカー連盟(FIFA)のランキング(6月4日発表)は日本52位、韓国58位。代表順位こそ拮抗しているが、今年のACL(*)では明暗が分かれた。
【*AFCチャンピオンズリーグ。アジア大陸の王者をかけて、日本、韓国、中国、豪州をはじめとするトップリーグの上位チームが出場する】
韓国は水原三星、FCソウル、城南一和の3チームが決勝トーナメントの1回戦で姿を消した。ベスト8に進出したのは全北現代のみ。一方の日本は柏レイソル、ガンバ大阪が順調に勝ち進み、優勝の可能性を残す。韓国メディアはそうした結果を嘆いてか、こんな見出しをつけて報じていた。
「“アジアの虎”から転落したKリーグ」(朝鮮日報)。
嘆くばかりではない。敗因についての声は、日本を引き合いに出したものが目立っていた。まずはスポーツ紙の『スポーツ京郷』がそのことについて、「減量経営のJリーグ、なぜアジアでうまく行くのか」という見出しをつけて、「Jリーグは韓国と同じような減量経営(コスト削減)でも、今年のACLで善戦している」と指摘。その上で、蔚山現代のユン・ジョンファン監督(昨年のサガン鳥栖監督)の言葉をこう紹介していた。
「日本は必要であれば投資をする。最近は韓国にレベルの高い外国人選手が見当たらないが、日本は優れた外国人に対しては惜しまずお金を出す」