国内

グーグル 元スーフリの男性へ7億円支払い発生の可能性あり

 6月25日、さいたま地方裁判所。大手検索サイト「グーグル」の検索結果で過去の逮捕報道が今も表示されるのは「人格権の侵害」だとしてグーグル米国本社に削除を求めた男性・A氏の申し立てに対し、同地裁が「削除」を命じた。これをきっかけに、グーグル、そしてITに強い弁護士の元には削除依頼が殺到しているという。また、A氏と同様の訴訟提起は近年急増している。2009年には東京地裁で33件(仮処分申し立て総数の約3%)だったが、2013年は711件(同約40%)と20倍に膨れ上がっている。
 
 では、どんな人々が「俺の過去を消してくれ」と訴えているのだろうか。ネット上の記述によって重大な人権侵害や営業妨害が発生しているのであれば削除は当然であるが、中には個人や組織が自らの“黒歴史”を消したいがために削除請求するケースが少なくないという。
 
 大手プロバイダ関係者によれば、過去に医療事故を起こしたある有名病院は、こんな主張で削除依頼を出している。
 
「病院名を検索すると、当時の医療事故の報道や関連する非難の書き込みも表示される。当時の担当医は既にいない。病院の評判を低下させ、経営にもかかわるので今すぐ消してほしい」
 
 暴力団の元構成員や半グレ集団の元メンバーも削除請求を出している。
 
「自分の名前を検索すると、かつて所属していた組織の犯罪報道とリンクされる。今は組織と関係ない一般人なのだから、犯罪と関わりがあるように疑われる検索結果は出さないでくれ」(ある請求者)
 
 前出の大手プロバイダ関係者は「痴漢や窃盗、薬物使用で逮捕された人物からの“犯罪歴を消せ”という依頼が増えている」と困惑する。
 
「彼らの中には削除に加えて“精神的苦痛を被った”などと損害賠償を請求してくるケースもあります」

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