日本による韓国の植民地統治には功罪あったが、韓国の人々が日本式の近代教育を受け、多くのことを日本から学んだことは事実である。しかし、戦後の韓国は日本を否定し、日本から学ぶことを拒み続けてきた。韓国の未来を憂う韓国言論界の重鎮、漢陽大学名誉教授の金容雲氏と作家の柳舜氏が「日本に学ぶことの意義」について対談した。
柳:ここで指摘しておきたいのは、韓国はつまらないプライドによって実益を損なっているということです。過去の歴史を巡って日本に謝罪を要求し続けているのは、単に「面子」の問題に過ぎません。プライドを優先するあまり、実益を蔑ろにしてしまうのです。その結果、韓日関係が冷え込んで韓国経済にまで悪影響が出るようになりました。
金:一方の日本人は、「負けるが勝ち」という発想を持っています。
柳:韓国人にはその発想が通じないのです。
金:慰安婦問題が良い例ですね。河野・村山談話やアジア女性基金(*注)の設立にしても、日本は落としどころを提示して「これで終わりにしよう」という意思を示したのだと私は考えています。
【*注/元慰安婦への補償(償い事業)を主目的とし1995年に設立された財団法人。正式名称は「女性のためのアジア平和国民基金」。日本政府の出資と国内外の募金によって運営されたが、韓国では補償金の受け取り拒否が相次いだ】
まさに「負けるが勝ち」の発想です。でも、韓国はそれを素直に受け入れないばかりか、徹底的に日本を追い込もうとしました。そして、そのまま20年という月日が流れてしまった。