ビジネス

激戦の今夏ノンアルコールビール市場 糖質制限効果に期待感

ノンアルビール「夏の陣」

 本格的な暑さが日本列島を覆い、ノンアルコール業界の競争が激しくなってきた。今夏の勝負所は「糖の吸収をおだやかにする」ところのようだ。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

 * * *
 ノンアルコールビール界に新たな潮流が起きている。アルコールだけでなく、糖質、カロリーなどにも「ゼロ」をうたった健康志向の製品が各社から発売されている。トクホや機能性食品は、ついイメージで買ってしまいがちなアイテムだが、どうせ飲むなら”機能”が高いに越したことはない。そこで各社の製品を比較してみよう。

 まずは市場に先鞭をつけたサッポロの特定保健用食品――トクホの「SAPPORO+」から。パッケージで一番目立つのは「ALC.0.00%」という表示と「ノンアルコール」という表記。上部に「糖の吸収をおだやかにする」と書かれているが、フォントは色もサイズも控えめな印象だ。350mlあたりのエネルギー4~18kcal、糖質は0.4~2.8。いずれもゼロではないが、気になるほど含まれているわけではない。かたや”トクホ”としての目玉成分、難消化性デキストリンは4g。食物繊維との合計だと4.6gとなる。

 ここで念のため、難消化性デキストリンについて触れておこう。「糖の吸収をおだやかにする」と書かれているような飲料の主役となる成分で、以下のような作用があると言われている。

1.糖の吸収スピードの遅延作用(食後血糖の上昇抑制作用)

2.整腸作用

3.脂肪の吸収スピードの遅延作用(食後中性脂肪の上昇抑制作用)

4.内臓脂肪の低減作用    

5.ミネラルの吸収促進作用

 ざっくり言うと、食事とともに摂取することで糖や脂肪の吸収がゆるやかになるということ。つまり難消化デキストリン入りの食品は「ゆるめの糖質制限食」に近い状態が作りやすくなる。メーカーとして直接、ダイエットや減量効果は謳えなくとも、少なくともユーザーに一定の期待感はあるはずだ。

 各社の商品に話を戻そう。後発組を見ると6月16日に発売された「キリンパーフェクトフリー」、6月23日発売の「アサヒスタイルバランス」(ビールテイスト)は「脂肪の吸収を抑える」「糖の吸収をおだやかにする/糖分の吸収を抑える」などと表示されている。どちらもトクホでもないのに、「SAPPORO+」よりも効果・効能の表記が大きく目立っている。

 この2種類の成分表示の内容はほぼ同じ。1本350mlあたりのエネルギーは「0」で、たんぱく質、脂質、糖質が0。機能性表示食品のキモとなる、難消化性デキストリンは5g。食物繊維の合計が5.6gというところまで両者とも同じ。意外なことに難消化性デキストリンはトクホの「SAPPORO+」よりも1g多く含まれている。

トピックス

まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン