社長に就任した絢氏に取材を申し込むとC&Iは「お受けできません」と回答したが、ブルームバーグの取材では父から受けた強い影響を語っている。
〈(父は)投資家として能力はすごく高い。この世界の第一人者〉〈父の考えに強い共感を持っている〉
また同メディアの取材では父を否定した日本社会への批判ものぞかせている。
〈父の考え方を浸透させるのには早過ぎた。日本に拒絶された部分もある。時代のほうが(父に)追いついてきた〉
復活した村上ファンドは今後、何を狙うのか。村上氏について数々のレポートを発表してきたジャーナリストの高橋篤史氏が語る。
「彼らのビジネスモデルはかつてと変わらないでしょう。内部留保や不動産資産の多さ、株価収益率(PER)の低さなどに注目して割安銘柄を購入していくと考えられます。今の村上氏は実質的な個人投資家。馴れ合いの株主総会や取締役会に代表される『日本型経営』への批判をさらに強めていくのではないでしょうか。
その手始めと目されるのが黒田電気です。8月下旬に臨時株主総会を控え、取締役選任の要求を取引材料として、何かアクションを起こしていくはずです」
※週刊ポスト2015年8月7日号