放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、いきなりの結婚~引退発表で業界を騒然とさせた山岸舞彩に注目。
* * *
山岸舞彩が電撃結婚し、『NEWS ZERO』(日本テレビ系)を9月いっぱいで降板することは、テレビ局幹部や事務所関係者のみならず、オーバー40の女子アナや地方局出身のフリーアナらに衝撃を与えている。
「あんなに大きな番組のメインを自分から手放すなんて信じられない」「もったいない」というのである。
しかし、山岸舞彩は、キャスターという仕事にしがみつかず、結婚、引退を選んだ。
頭が良く、あっけらかんとした性格の彼女は、『サタデースポーツ』『サンデースポーツ』(NHK)後の自分の仕事がそううまくはいっていなかったことを理解していたのだろう。
現地キャスターという大役を任せられたロンドン五輪でも、珍しくアガッてしまっていて、実はそれほどいいところがなかったし、日テレ幹部らに望まれてセンターに立った『NEWS ZERO』でも、やや期待ハズレな状況だった。
小林麻央や板谷由夏、桐谷美玲ら女性ウケがいいキャスターと比べると、やはり山岸舞彩は女性には好かれていなかった。代表的な女性の意見は「男性たちが大騒ぎしている意味がわからない」「かわいくない」だった。
NHKで週末にミニスカで登場していたインパクトに数字があったのに、それを封印させられたのも彼女には不運だった。
同じく、『サタデー~』『サンデー~』を見ていた男性幹部が白羽の矢を立てたであろう『ワンダフルライフ』(フジテレビ系)も、彼女のせいではないが記録的な数字の低さで2クールで打ち切り。『~ZERO』と共に“山岸舞彩効果”は全くと言っていいほどなかったのである。
そうしたことを「気にしている」「落ち込んでいた」と一部で報じられたが、彼女の性格を知る一人としては、ニュアンスが少し違う。山岸舞彩は、現実を理解し、自分で見切りをつけたのだと思う。写真誌などに追いかけられる毎日にもほとほと嫌気がさしていたと思われる。