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ロッテ 創業家のクーデター鎮圧で球団身売りの可能性も?

 韓国を代表する巨大財閥、ロッテグループの創業家で経営権をめぐるお家騒動が起きている。

 これまでロッテグループでは、創業者の重光武雄(韓国名・辛格浩)氏の長男・重光宏之(韓国名・辛東主)氏が日本法人、次男の重光昭夫(韓国名・辛東彬)氏が韓国法人の経営を任され、お互い不可侵を守ってきた。

 しかし、昨年末に宏之氏がグループ3社の取締役を解任され、今年1月には、グループの持ち株会社ロッテホールディングス(HD)の副会長の座からもはずされたことをきっかけに、父を巻き込み兄弟ゲンカへと発展した。一線から引いていた父・武雄氏を宏之氏が韓国・ソウルから連れ出し、東京・新宿のロッテ本社に突入し、その場にいた取締役に「武雄会長を除いた取締役6人を全員解任する」と宣言し、クーデターを起こしたのだ。
 
 だが、弟・昭夫氏は翌日、緊急取締役会を招集し、前日の解任が不法であるとし、武雄氏の会長解任・名誉会長への推戴を提案。これが取締役会の賛成で可決され、クーデターは鎮圧された。

 ロッテ創業者である武雄氏は、戦後の闇市でゴムを手に入れ、それに甘い味付けをしたガム(もどき)を売るところから商売を始め、財をなした。1966年に母国である韓国に進出し、日本円が韓国ウォンよりも強かったことを利用し、日本で稼いで韓国で投資する方式で、事業を拡大した。武雄氏を知るルポライターの姜誠氏はいう。

「多くの在日ビジネスマンは、成功すると国籍を変えます。日本で商売をするには、そのほうが都合がいいからですが、武雄氏は国籍を変えなかった。その意味で、在日の中では『在日の星』とも見られていた人でした」

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