平成26年度、ふるさと納税で約14億6000万円の寄付金額が集まった長崎県平戸市は、本土の最西端にある。日本一の寄付額を誇るこの町は、かつて日本初の南蛮貿易で豊かに栄え、キリスト教の伝来も受け入れた、小さな小さな島だった──。
海と山に囲まれた平戸市はとてものどかで、流れる時間もゆっくり。どこまでも広がるコバルトブルーの海と空、穏やかな景色がいちばんの贅沢。ゆるり、そんな言葉が似合う町だ。
「平戸はオランダ船やポルトガル船を受け入れ、日本初の南蛮貿易で栄えた町。フランシスコ・ザビエルがキリスト教の布教にも成功した地で、来訪者を大事にし、寛容に受け入れる気質を今も受け継いでいます」と、同市観光協会の松瀬千秋さんが言うように、平戸の人はおおらかであったかい。
美しい教会と城下町の雰囲気、和と洋が融合した歴史を辿る旅に出てみよう。写真は地元の人が海水浴を楽しむ人津久海岸。「本当は人に教えたくない」という秘密のビーチ。遠浅の海岸はどこまでも歩いていけそうだ。