国際情報

「8・15」を美化せず謙虚になれと説いた韓国元大統領の演説

 韓国では8月15日は「光復節」といわれ国の祝日(公休日)になっている。1945年、日本の支配から解放された記念日ということだが、これは日本では終戦記念日で、日本が先の大戦(大東亜戦争)で米中ソなど連合国に降伏宣言した日である。

 ところがこの日が国の祝日になっているのは韓国だけなのだ。日本の支配から解放されたのは朝鮮半島だから北朝鮮も同じなのに、北朝鮮では祝日になっていない。中国(当時は国民党政府)も対日戦勝日を9月3日にしているため、8月15日は祝日ではない。

 今年は70周年ということで例年以上に記念行事やマスコミ報道が賑やかだが、実は韓国ではこの日を“民族的祝日”にするため、これまで自分たちにだけ通用する特異な歴史教育が行われてきた。8月15日について歴史教科書にはこう書かれている。

「1945年8月15日正午、ラジオから連合国に無条件降伏するという日本国王の声が流れた。光復はこのようにもたらされた。光復はわが民族の限りない闘争の結果だった。日本の突然の降伏で国内進入作戦などを通じ直接、降伏を求めようとしていたわが民族の努力は水の泡となり、念願だった自主的な政府樹立もそれだけ難しくなった」(高校「韓国史」飛翔教育社版から)

 実に歯切れが悪い。すべての教科書が「光復」については「連合国の対日戦勝の結果」だけではなく、それと同等あるいはそれ以上に「われわれの抵抗の結果」と記述しているのだ。そして「独立戦争」という名で抵抗運動の話ばかり盛りだくさんに教えてきた。

 しかし日本統治下での韓国(朝鮮)人の抵抗運動が日本の敗戦につながったという歴史的事実はない。国際的にもそんな評価はない。だから韓国は当然、連合国に加えてもらえなかった。

 したがって韓国が国民に教えているのは実際に「あった歴史」ではなく、本当はそうあるべきだったという「あるべき歴史」なのだ。日本人はこれこそ「歴史歪曲」と考え首を傾げるが、韓国人はこれこそ「正しい歴史認識」と思っている。

関連記事

トピックス

希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
NASAが発表したアルテミス計画の宇宙服のデザイン(写真=AP/AFLO)
《日本人が月に降り立つ日は間近》月面探査最前線、JAXA「SLIM」とNASA「アルテミス計画」で日本の存在感が増大 インドとの共同計画や一般企業の取り組みも
週刊ポスト
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト