ライフ

夏場は注意が必要な尿管結石 自然排斥促す「排斥薬物治療」

 尿管結石は、メタボリックシンドロームと強い相関関係があるため、患者は中高年が多かった。しかし近年、運動不足で肉食中心の偏った食生活をしている若い世代にも尿管結石の患者が増えている。

 結石の原因は、運動不足や尿路閉塞による尿流停滞、発汗や水分の摂取量が少ないことによる尿の濃縮、食生活の偏りによる尿の酸性化、尿路細菌感染など様々な要因がある。盛夏は汗で水分が減少して尿が濃くなるだけでなく、ビールなどプリン体を含む食品の多量摂取で尿酸値が上がり、シュウ酸カルシウムが増え結石にがることがある。

 結石は腎臓の中で発生するが、何らかの加減で移動して細い尿管に入り、閉塞すると血尿と激痛で救急搬送されるケースが多い。東京警察病院泌尿器科の松島常部長に話を聞いた。

「石の長径が5ミリ未満で、20センチ以上もある尿管の下部近くまで下りているような場合は、運動と1日3リットルの水分補給で排石を促します。その際、前立腺肥大症で使われるα1ブロッカー内服による薬物治療(Medical Expulsive Therapy=MET)を行ないます。この薬剤は、尿管平滑筋(へいかつきん)を弛緩させる作用があり、結石の排石を助け、疼痛軽減効果もあります」

 結石が5ミリ程度と比較的小さい場合でも、結石により尿管の上部が閉塞され、尿が腎臓に貯留し、圧力が高まる水腎症を起こしていたら、積極的に石を砕く治療を実施する。結石の破砕は、数年前までは体外衝撃波結石破砕術(ESWL)が行なわれていたが、現在はレーザー内視鏡手術が第一選択となっている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン