「なでしこジャパン」の中心選手である澤穂希選手が結婚を突然発表した。おめでたい話ではあるが、祝福をひとつ間違うと職場でバッシングをうける可能性もあると、大人力コラムニストの石原壮一郎氏は指摘する。澤選手の結婚にひそむ「大人の落とし穴」とはなにか。
* * *
日本列島が猛烈な暑さやら厄介な問題やらで覆われている中、誰もがさわやかな気持ちになれる嬉しいニュースが飛び込んできました。サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」のMF澤穂希選手の結婚です。お相手は、元Jリーガーで現在はJ1ベガルタ仙台の強化・育成担当の辻上裕章氏。澤選手が36歳、辻上氏が38歳という大人のカップルです。
「澤結婚!」のニュースが流れると、「なでしこジャパン」のチームメイトや交流のある芸能人などがこぞって祝福。ネット上にも「おめでとう!」「ビックリ!」の声があふれました。一面識もない私が言うのもおこがましいのですが、澤選手、辻上さん、本当におめでとうございます。末永くお幸せに。
と、まずは祝福の気持ちを表明しつつ、本題に入りたいと思います。通常の結婚報道の場合、手放しでの祝福ばかりでなく、くだらないイチャモンや意地の悪い声も聞こえてくるのが常。しかし、今回はまったくありません。それはひとえに澤選手の実績や人柄が並々ならぬ尊敬を集めている所以と言えるでしょう。
だからこそ、油断は禁物。職場などで、あるいはお盆の親族の集まりなどで、明るいニュースとして気軽に「澤選手、結婚したね!」という話題を持ち出したくなりますが、思わぬところに大人の落とし穴が待ちかまえています。
冷静に考えたら明らかにアウトなのに、ついやってしまいがちなのが、澤選手と同年代か少し年下の30代女性に対する不用意な発言。これまで恋愛方面の話題が聞こえてこなかった澤選手が36歳で電撃的に結婚したことを喜ぶ気持ちが高じて、同僚や親族の微妙なお年代の独身女性に向かって、
「次は○○ちゃんの番だね!」
「男性の噂を聞かなかった澤さんが結婚したんだから、○○ちゃんも大丈夫だよ!」
などと言ってしまうこと。胸ぐらをつかまれたり、二度と口をきいてもらえなくなったりしても文句は言えません。「澤さんみたいに『10年来の友人』の中で、よさそうな人はいないの?」と聞くのも大きなお世話です。