医学博士であり、ベストセラー『バカの壁』などの著書も多い養老孟司さんの愛猫・まるの仕事は“何もしないこと”。
日がな一日うとうとし、目が覚めたら近所をパトロールしてごはんを食べ、ときどき養老先生の仕事の邪魔をする。
「おいらを見てると勤労意欲がなくなるんだって。でも、それがいい息抜きになってるんじゃないの? うちの親父はいつも忙しそうだから」
昼寝の合間に薄目をあけ、庭先の小鳥を眺めては再び深い眠りに落ちる、まる。確かに、何もしていない…。
しかしこう見えて彼は“営業部長”の肩書を持ち、『うちのまる』をはじめ数多くの写真集や、DVDを発売。猫雑誌などでモデルを務めることも多い、有名猫なのだ。
今年出版された『ねこバカ×いぬバカ』(小学館刊)でも、まるが「親父」と呼ぶ養老さんに抱かれて表紙を飾っている。
「あの本だって、おいらがいなかったらできなかったんじゃないかと思うよ。なんたってタイトルに『ねこバカ』って入ってるくらいだからね…あ~、どっこいしょ」
おもむろに起き上がり、床におしりをつけた、通称“どすこい座り”をする、まる。
「今年の夏も暑いし、親父も仕事なんかしないで、おいらと一緒に昼寝でもしてればいいんだよ。ふぁ~、眠い眠い…」
<PROFILE>
名前:まる ♂
年齢:12才
種類:猫(スコティッシュフォールド)
勤務先:養老研究所
職種:営業部長
主な仕事内容:養老先生の働く意欲をそいで、休養させること。写真集やDVDを出したり、雑誌のモデルを務めること。
お給料:キャットフードと、大好物のマヨネーズ(ベストフーズのものがお気に入り)
好きなこと:寝ること。食べること。仕事の邪魔をすること。
嫌いなこと:ハラがへること。
現在の悩み:「まるには悩みなんてない」と養老先生が思っていること!!
将来の夢:特にない。このままのんびり暮らしたい。
撮影■山口規子
※女性セブン2015年8月20・27日号