放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、フジの軽部真一アナのスタンスを“業界目線”で徹底的に分析。
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「フジテレビにとって久々の明るいニュース」と、『ワイドナショー』の松本人志を始め、同局にレギュラーをもつタレントやアナウンサーらが番組で喜んで取り上げたニュース。それは、榎並大二郎アナが「タイVJ(ビジット・ジャパン)」なる観光特使に任命されたことである。
観光庁が、“しばり”の多い局アナを特使に任命するのは著しく稀なこと。榎並アナのタイでの人気がよほど国民的なものなのだろう。
加藤綾子アナ、椿原慶子アナと同期で、彼女たちの“おもちゃ”であり“パシリ”的存在の榎並アナは、「ホントにイイ人なんです」(加藤アナ談)とのこと。ガタイも良ければ、万人ウケするイケメンでもあるし、タレントにいじられると小声になるという、ツッコみ甲斐ある特徴をもっている。
最近、同局の男子アナは、人気者だったり、注目を集めた人たちがスキャンダルを起こしたり、早々に結婚してしまったりしている。榎並アナにはもう少し独身を貫いていただき、人気男子アナとして、大きな番組を担当してもらいたいものである。
同局の男子アナで安定した人気を誇っているのが『めざましテレビ』の軽部真一アナだ。
『オリスタ』調べによる「好きな男子アナランキング」では、常に上位。2010年には、なんと2位にまで登り詰めている。
もっとも同誌は若い読者に多く読まれているので、彼らが好んで見ている『めざましテレビ』のエンタメコーナーを担当している、というだけで若者にとっての知名度はダントツ。「好き」ということではなくて、「知名度の高さ」だけで選ばれている…と言ったら言い過ぎだろうか(苦笑)。
1994年4月。当時、朝の超人気番組だった『ズームイン!朝』(日本テレビ系)に対抗すべくスタートしたのが『めざましテレビ』。NHKの人気アナだった大塚範一氏をメインに、脇には男性にも女性にも好感度抜群だった八木亜希子アナが座った。
そのときから同番組のレギュラーなのが軽部アナである。いまから21年も前のことなので、軽部アナはまだ30代目前。おじさまながらギャルっぽいココロをもつ大塚さんの邪魔をしないキャラとして、帯のワイドショーのリポーター経験などがあった軽部アナが選ばれたのだろう。
2011年.その大塚さんが病に倒れ、2012年4月、レギュラー陣が一新された。「アミーゴ伊藤」として視聴者に親しまれた伊藤利尋アナは他の帯番組との掛け持ちが限界となり卒業。女子アナやお天気キャスターもチェンジされ、メインは軽部アナと同期の三宅正治アナが担当することとなった。
この時点で、番組開始からのレギュラーは軽部アナのみになり、その後も彼はエンタメコーナーをずっと担当している。