アメリカ大統領選挙が来年、2016年に迫っている。どんな候補者がいるのか、誰に注目しているのかを作家の落合信彦氏が解説する。
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アメリカの未来に暗雲がたれこめている。
2016年のアメリカ大統領選に向けた出馬表明が相次ぎ、有力候補がほぼ出揃った。本稿締め切り時点で出馬を明らかにしたのは民主党5人、共和党16人と、かつてない混戦状態になっている。今後、年明けからスタートする各州の予備選・党員集会に向けて、論戦が始まることになる。
しかし、それだけ候補者が乱立していても、残念ながら彼らの中から大国・アメリカの次世代を担うリーダーの姿は見えてこない。国を支えるべき政治家の人材不足が深刻化しているのだ。
今のところ、民主党の候補者争いでは前国務長官のヒラリー・クリントンが、バーニー・サンダース上院議員らを引き離してトップに立っているとされる。しかしこれはマスコミが煽っているとも言われる。
一方の共和党は、米メディアの調査によれば元フロリダ州知事でジョージ・W・ブッシュの弟であるジェブ・ブッシュが有力と言われる。
しかし、7月下旬に私が入手した民主党による非公式の世論調査結果では、実業家で「不動産王」と呼ばれるドナルド・トランプが支持率28%で首位。2位がウィスコンシン州知事のスコット・ウォーカーの13%。3位がジェブ・ブッシュと、インターネットで若者を中心に人気のランド・ポール上院議員の12%。以下、アーカンソー州知事を務めたマイク・ハッカビー、マルコ・ルビオ上院議員らが続いていた。