国際情報

反日勢力の急先鋒 韓国挺身隊問題対策協議会はどんな団体か

 現在の日韓の対立は、韓国の反日が日本の嫌韓を生み、それがまた韓国の反日を促進する──こういった負の相乗効果だと、著書『日韓対立の真相』(悟空出版刊)において外国戦の舞台裏を赤裸々に明かした前・在韓国特命全権大使の武藤正敏氏はいう。韓国の反日勢力の主体のひとつ、慰安婦問題解決を妨害してきた一部の声の大きな勢力について、武藤氏が解説する。

 * * *
 反日勢力の主体のひとつは歴史問題を扱う市民団体やNGOで、中でも急先鋒として知られるのが韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)である。

 挺対協は1990年代はじめ、「慰安婦問題」解決のために組織された韓国の民間団体で、ソウルの日本大使館前で毎週行う「水曜デモ」が1000回を超えたことの記念に「慰安婦像」を大使館の目の前に設置したことでも知られる。

 同時に、日本政府の謝罪や反省、補償が十分ではないとの考えから、元慰安婦に対して、日本の「女性のためのアジア平和国民基金(アジア女性基金)」からの「償い金」や、村山首相の「おわびの手紙」の受け取りを拒否させたり、受け取った7人の元慰安婦に、露骨な嫌がらせをしたりした(*注1)。

【注1:韓国紙『ハンギョレ』(7月13日付)は慰安婦団体関係者の発言として〈(日本で)挺対協が被害者の意思を無視したまま、アジア女性基金を拒否するなど…問題の解決の妨げになっていると、根拠もなく非難する人々が増えている〉と書き、武藤氏の著書などにより挺対協の実態が批判されてきていることに懸念を表している】

 そういう団体だから、韓国政府に圧力をかけることは常だ。日本が「アジア女性基金」を設立して慰安婦問題の解決に向けて努力した1995年、当初、韓国政府は「これまでの被害者の要求がある程度反映された誠意ある措置であると評価したい」と論評していた。しかし、挺対協の横やりを受けて徐々に態度を曖昧にしていき、韓国政府も最後には「被害者たちが納得する措置を日本政府には取ってほしい」と評価を一変させてしまった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン