中国では、独裁に突き進む習近平に対し、江沢民をはじめとする党長老たちが不満を抱き、「上海株暴落をしかけたのではないか」と噂されるほど。権力闘争で国家が揺らぐとはいかにも中国らしい話だが、実はそれは対岸の火事ではない。
この日本においても、厳然とした「長老支配」が存在する。総裁選で対抗馬が出ないほど圧倒的な権勢を誇る安倍晋三・首相が、唯一恐れる存在が自民党の長老たちなのだ。
その“陰の権力構造”を暴露したのが、参議院の抜本改革を求めて自民党会派を離脱した脇雅史・前自民党参議院幹事長だ。脇氏は8月24日付産経新聞のインタビューで、長年参院自民党を牛耳ってきた3人の重鎮の弊害を語った。
「『AMK』って知っていますか。Aは額賀派(平成研究会)の青木幹雄元参院議員会長、Mは細田派(清和政策研究会)会長だった森喜朗元首相、Kは岸田派(宏池会)名誉会長の古賀誠元幹事長です。参院には、この3人を後ろ盾に3派の言うことを聞いていればいいという風潮が根強い。AMKも、いまだに色々な情報が集まるので面白く、現役に口出しを止めません。この悪循環は断ち切った方がいいよ。現役も、ご意見お伺いはもう止めた方がいい」