安倍晋三内閣は首相の「お友達閣僚」が多数を占め、彼らが失態を重ねて政権の足を引っ張ってきた。彼らの軽すぎる言動を振り返る。
最も足を引っ張ったのは「新国立競技場」の責任者であった下村博文・文科相(61)だろう。保守的な教育観が安倍首相に近く、念願叶って文科相に任命されたが、「新国立競技場」の建設では長老政治家と事務方にいわれるがままに総工費3000億円にも上る案を推し進めた。大問題になってからもリーダーシップを発揮することはなく、稀に見る迷走を招いた。
安倍首相が白紙撤回を表明した後でさえ「責任の所在は第一義的にJSC(日本スポーツ振興センター)にある」との逃げ口上に終始した。
総理の盟友である麻生太郎・副総理兼財務相(74)は就任早々から舌禍事件のオンパレードだった。特に2013年7月の講演で憲法改正について、「ナチスの手口に学んだらどうかね」と発言し、国際問題にもなった。
麻生氏の失言癖は今に始まった話ではないが、“安定感”がウリだった政権の大番頭である菅義偉・官房長官(66)も最近になって失策が目立つ。4月に普天間飛行場移設について「粛々と進める」と繰り返し発言してきたことが「上から目線」と批判を浴びて“封印宣言”を余儀なくされた。
続いて今年6月、衆議院の憲法審査会で憲法学者から「安保法制は違憲」との見解を示されると、「合憲とする憲法学者はたくさんいる」と反論。しかし、野党から具体的な名前を問われるとたった3人しか挙げられず、一転して「数の問題ではない」と強弁した。