ビジネス

若者のゲーセン離れ 業界がシニア層に目をつけ優遇策を展開

 かつて若者の溜まり場だったゲームセンターだが、いまやシニア世代の社交場と化している。ゲームセンターのメダルゲーム機やパチンコ、スロットマシンコーナーには、シニア世代が殺到しているのだ。

 ゲームセンターにシニア層が増えた一因には、店側の営業努力もある。各店があの手この手のサービスを打ち出しているのだ。背景にはゲームセンター業界の苦境がある。2013年度、ゲームセンターの売り上げは約4564億円と5年前から約2割減。店舗数も同様に3割弱減らし約1万6000店へと右肩下がりとなっている(日本生産性本部調べ)。

 原因は家庭用ゲーム機の進化やスマホの普及が挙げられる。ゲームセンターの強みであった「知らない誰かと対戦する」という楽しみは、家庭でオンラインゲームができるようになったことで魅力を失い、さらにスマホの無料ゲームの普及は日本人のゲームへの考え方を変え、長らくゲームセンターの売り上げを支えてきた10~30代の独身男性が離れていった。

「客数の減少を、客単価の増加、つまり値上げで補うのも難しい。ゲーム機には100円玉しか入りませんから、簡単に1回130円などにはできません。ならば1回200円にするかといえばそういうわけにもいかない。ゲーム=100円のイメージが強く、高いという印象を与えてさらにお客さんがいなくなります。正直いって経営は苦しい」(大阪のゲームセンター経営者)

 この状況下で目をつけたのが、「年配のお客様」だった。

「シニアをターゲットに、さまざまなサービスを打ち出す店舗が出てきています。その甲斐あって、正確な統計はありませんが、シニア層の利用は確かに増えていますね。余暇もお金もある団塊の世代が定年を迎え、そのひとつの使い途としてゲームセンターを選んでくれたのでしょう」(日本アミューズメントマシン協会・片岡敏行氏)

関連キーワード

トピックス

「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
米国からエルサルバドルに送還されたベネズエラのギャング組織のメンバーら(AFP PHOTO / EL SALVADOR'S PRESIDENCY PRESS OFFICE)
“世界最恐の刑務所”に移送された“後ろ手拘束・丸刈り”の凶悪ギャング「刑務所を制圧しプールやナイトクラブを設営」した荒くれ者たち《エルサルバドル大統領の強権的な治安対策》
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン