『身近な人が亡くなった後の手続のすべて』(自由国民社刊)が21万部の大ベストセラーとなっている。というのも、故人を偲んで感傷にふける間もなく、遺された人間には数多くの手続が必要となるからだ。通夜、告別式を済ませ、初七日が過ぎれば「別れの儀式」は一区切りとなるが、各種手続きは終わらない。前出のベストセラーの共著者のひとりである司法書士・児島明日美氏に初七日が過ぎて「落ち着いてからやること」を解説してもらった。
【1】戸籍謄本の取得(相続人の調査)
相続手続きを行なう際には、相続関係を証明する戸籍謄本の提出が求められる。
「故人の死亡事項の記載のある戸籍謄本だけでは、相続関係を証明するのに十分ではありません。本籍地の移動や結婚があると、その情報は新しい戸籍に記載されないためです。相続人を特定するため、故人の一生分の戸籍をさかのぼって取得する必要があります。例えば本籍地を移動している場合は、もとの本籍地から除籍謄本を取り寄せたりしなければなりません」(児島氏。以下「」内同)
想定外の相続人が見つかるケースもある。
「父親がはるか昔に第三者と養子縁組をしていたなど、思ってもいなかった相続人が登場することもあります。その人を除いて相続手続きは進められないため、直接会ったり、弁護士などに間に入ってもらってコンタクトを取りましょう。
また戸籍謄本は金融機関の各種手続きや税務申告などに必要となるので2~3通まとめて取得しておくと便利です。戸籍謄本はコピー不可とする場合が多いためです」